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佐藤拓真 個展「WYSASSS 」について

美術家・佐藤拓真は、ものと行為の関係を介しながら、「作品」と「場所」の概念的な横滑りを主題に制作を行う。

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WYSASSS = When You See the Acrylic to See a Stone and a Stone

写真作品である『WYSASSS』は、石とアクリルによって組み立てられた「建築模型」の写真として制作されている。石と石の間にアクリルを挟んだこの構造物は、正面性の条件を満たした時、アクリルが消え(たように見え)、石が浮く(ように見える)。「空中に浮かぶボックス」は、近代建築の目指した主題のひとつである。また、正面性は建築家ル・コルビジェが重要視したメディア戦略である。


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WYSCSC = When You See the Construction to See a Construction

建築家ル・コルビジェ設計の「サヴォワ邸」を扱うこの作品は、トレーシングペーパーにトレースされた3層分の平面図と、表グラフのリソグラフィーから成る。リソグラフィーは作家が実際に経験したシークエンスの順序であり、建築空間のらせん構造を示唆している。リソグラフィーを手引きとしながら平面図を経験することが意図されているが、グラフ通りに図面を鑑賞したところで建築の経験には置き換えられない。それは実作の経験に対する写像でもある。「サヴォワ邸」は近代建築における「空中に浮かぶボックス」のメルクマール。


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本展示「WYSASSS」は、近代建築の解釈をモデル化した『WYSASSS』と、建築家ル・コルビジェ設計の「サヴォワ邸」に関する記述で構成された『WYSCSC』で成り立つ。両作品に共通するのは、建築を建築そのものではない方法で指示しようとする行為であり、それによりもたらされる不確定な「スケール感」である。

建築の経験はどこにあるのか。建てられた実作としての建築ではなく、写真、図面、模型、テキスト、その他形式のメディア(=媒介物)にこそ、経験を実感する場合がある。事前にメディアで経験した建築を訪れる時、しばしばイメージを超えない。想像より小さい?sプローチの問題?周辺の環境?視界に入る自分以外の鑑賞者?そもそも建築は断片的に訪れる場ではなく、継続して経験する場である。実作と媒介物、どちらが「建築」なのか。

ここではないよそに建つ建築と、ここにあるメディアの建築における決定的な違いは、スケールである。メディア建築は、実際のスケールを再現できない。スケールとノンスケールを行き来する行為が、こことよその境界をあいまいにする。こことよその複合体を「建築」と呼ぶこと。
しかし、いずれにせよ、それは消化不良を引き起こし、物足りない。

本展示は、以上の問いを巡りつくられた。

-WYSASSS展示会場冊子より-



今回は私の言葉で説明するよりも、佐藤さんご本人の言葉の方が適していると感じたので、展示会場にて配布している冊子からの文章を載せました。写真もあまり載せたくなかったので、ぜひ足をお運びください。
佐藤さんは最終日の24日(日)に在廊を予定しています。ぜひお話しを伺ってみてください。私にとってはまったく新しい見方、考え方でとても新鮮でした。


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1階書店スペースでは、本展示と同タイトルの『WYSASSS』を刊行した出版レーベル「DOOKS」のポップアップショップも開催しています。一般の書店ではなかなか手に入らない書籍がずらりと並んでいます。こちらも合わせてお楽しみ下さい。

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佐藤拓真 「WYSASSS」
2017年9月8日[金] - 9月24日[日]
OPEN 12:00 - 19:00 (CLOSE:火・水・木曜日)



スタッフ:イイヅカ