circle gallery & books

OPEN 12:00 – 19:00
CLOSE tue, wed, thu
tel/fax. 042 505 8019
mail. shop@circle-d.me

facebook
Twitter
-
Produced by circle-d

吉原航平「俗の術」レポート

yosi2.jpg

階段を上ると目の前いっぱいにこの光景が広がります。
一見すると版画のように見えますが、これらは木炭で描かれています。
在廊中や泊まり込み(!)で会期中にも作品が増えていきました。
土偶のようであったり、藁人形のようであったり、大黒様のようであったり、男根や道祖神のようであったり。
どこかで見た事のあるような、祈りや畏れの対象のようなそれらは、日本各地の信仰や祭り、古書などから吉原さんがこれまで見て、感じて、蓄積してきたものを描いており、それぞれにモデルがあるわけではありません。
それでも何かそれらしいものに見えてくるのは、私たち日本人の血に信仰や畏怖のようなものが脈々と受け継がれているからでしょう。

「○○のような」「○○らしい」などはっきりしない言い回しばかりになっていますが、今展示は言語化が難しいような、言語化に向いていないような気がしています。
世界には「キリスト教」や「イスラム教」など唯一絶対の神を崇める宗教が多くありますが、日本人は基本的に無宗教という人が多数を占めています。それでも寺社仏閣に行けば自然と手を合わせて祈り、何かあれば神様に助けを求めてしまったりするのは、「八百万の神」というものが染み付いているからでしょう。日本では自然現象や動植物、便所にまで、あらゆるものに神が宿っています。全国各地に数えきれないほどの神が祀られ、土俗的な儀式やお祭りがなされてきました。その儀式のために作られる、藁や紙でできた神々は、美しくもなく、簡素で歪んでいて、美術でも工芸でもなく、だからこそ命が宿っているような、どこか恐ろしく禍々しい姿をしています。そのようなものを、吉原さんの作品からも感じるのです。

今回の展示はSNSで写真を見かけ、気になって見に来てくださる方が多いようでした。画面一杯の作品にインパクトがあるのはもちろんですが、それだけではなく、日本人なら誰でも馴染みがあるような何かに引っかかる方が多かったのではないかと思います。


吉原航平「俗の術」
2016年10月14日-10月31日

yosi1.jpg




スタッフ:飯塚